【凸レンズ④】虫眼鏡が物を大きく見せるのはなぜ?虚像の仕組みを学ぶ

凸レンズと虚像 中1理科

物体が大きく見える、虫眼鏡の仕組み

既に、凸レンズが実像を作り、その原理がカメラにも利用されていることを学びました。

今回はもっと簡単な仕組みの虫眼鏡を使って、凸レンズの便利なポイントを学びます。

凸レンズを利用した虫眼鏡

この虫眼鏡(ルーペ)、もちろんいろんな物を大きく見るためのものです。探偵が証拠を探すのにも使うし、小さな字をよく見るためにも使います。

虫眼鏡(ルーペ)は、まさに凸レンズそのものです。

なので、凸レンズをもう少し詳しく学べば、「なぜ虫眼鏡では、物が大きく見えるのか」がよく理解できます。

リンゴをもっと凸レンズに近づけたらどうなる?

前回では、リンゴを動かして、実像の大きさスクリーンの位置の変化を学びました。

実像の大きさが変わる
リンゴを凸レンズに近づければ実像は大きくなり、遠ざければ実像は小さくなる

今回はもっと面白いことをします。


もっと、リンゴを極端に凸レンズに近づければどうなるでしょう?

具体的には、リンゴを焦点よりも凸レンズに近づけます

焦点よりも凸レンズに近づけると、実像ができない

それではいつもどおり、

①光軸と平行に入る光は、凸レンズで屈折して反対側の焦点を通る

②凸レンズの中心を通る光は、そのまま直進する

手前の焦点を通る光は、凸レンズで屈折して光軸と平行に進む

のルールに従って、光の道筋を作図してみます。

上の図が作図の結果です。

今回は、リンゴを手前の焦点よりも凸レンズに近づけたため、③の光は描くことはできません。

なので2本で考えていきます。

さて、上の図の2本の光が集まる点を探しますが、見ての通り、光が集まる点はありません。つまり、実像ができないのです

実像ができない
2本の光は離れるばかりで、一点に交わることはない

そう、焦点よりも、凸レンズに近づけたときには実像がでません。スクリーンをどこに立てても、スクリーンには何も映りません。

実像ができるときとできないとき
実像ができるとき、できないとき

つまり、カメラのレンズの焦点よりも物体を近づけてしまうと、何も撮影できません

実像はできないが、虚像ができる!!

ここから、もっと話が面白くなってきます。

巨大化するリンゴ

リンゴなど物体を、焦点を越えるくらい凸レンズに近づけると、実像はできませんよね。

実像ができない

しかし、光が向かっているところから、凸レンズを覗き込んでみましょう。

凸レンズを覗いてみる

上の図ではこのとき、目は2本の光(実際は無数にあります)を受け取っています。

そうすると、乱反射と虚像の回で学んだように、目は光を延長し、出発点を探します。

リンゴの虚像が見える理由

探し出した出発点はリンゴの葉に対応する部分です。


図でわかるように、結果的には非常に大きなリンゴが見えることになるのです。

凸レンズから虚像が見える
実像はできないが、凸レンズを覗くと、リンゴが巨大化して見える

しかしこの場合、実際にリンゴが巨大化したわけではありません。目の「出発点を探す」性質のせいで、目(脳)が勝手に作った像です。


だから、これはリンゴの虚像です。バーチャルイメージです。

虫眼鏡は、虚像を見せる道具

これこそ、まさしく虫眼鏡の仕組みです。

虫眼鏡で大きく見えていたのは、物体の虚像だったのです。

虫眼鏡で見える虚像
凸レンズが光を屈折させることで、消しゴムが大きく見える

このように消しゴムの文字が大きく見えるのも、凸レンズによる屈折のおかげです。

消しゴムの虚像作図
虫眼鏡を通して、消しゴムが大きく見える理由

凸レンズにおいて、虚像は実際の物体よりも大きな像です。

虫眼鏡を見るときを考えれば分かりますが、虚像を見るときは、スクリーンは必要ありません。

実像と虚像の違い

今まで、凸レンズが作る実像と虚像を学んできました。


実像と虚像の違いを簡単におさらいします。

実像とは、実際の光が集まった像

スクリーンに映る実像

これは、太陽や電灯など光源からの光がリンゴに反射し、その光が実際にスクリーンに集まっています。実際に光が集まっている像なので、実像(real image, リアルイメージ)といいます。


見ての通り、実像は、上下左右が反対の像です。

実像は上下左右反対の像

虚像とは、光をたどっていくと見える像

一方虚像とは、以下のように、物体を焦点より凸レンズに近づけたときに現れる像です。

目に入る光の、延長線をたどるとできる像です。

凸レンズから虚像が見える
光をたどると、大きな像が見える

この大きなリンゴの虚像、これは実際に光が集まっているわけではありません。目が凸レンズを通して、勝手に光を延長して作った像なので、虚像(virtual image, バーチャルイメージ)ですね。

凸レンズを覗くと虚像が見える
凸レンズをのぞくと、大きな F が見える。虫眼鏡はまさにこの原理。スクリーンはいらない

虚像は凸レンズを覗いたときだけ見える像であり、見ての通り、上下左右ともに物体と同じ向きです。虫眼鏡と同じですね。

今まで学んだ虚像、いろいろありましたね。

「鏡にうつる物体」や水面に映る「逆さ富士」「全反射により水面にハッキリ映る金魚」

などを学びました。

鏡に映る像は虚像
全反射の図
光の屈折によりストローが曲がって見える

これらは全て虚像です。

光を延長した結果現れる像であり、鏡や凸レンズ、水など他のものを通さなければ見えない像です。

一方、実像は光が実際に結んだ像です。

実像はスクリーンに映り、直接目に見える

実像は、凸レンズや水などを通さずとも、直接見えます。スクリーンに映った F の文字は、直接目で見えます。


実像と虚像には、そんな違いもあります。

物体を焦点に置いたらどうなる?

最後に簡単な問題を考えてみましょう。

焦点より遠ければ実像ができる、焦点より近づけば虚像ができますね。

ではさて、物体をちょうど焦点に置いたらどうなるでしょう?

リンゴは横幅があって分かりにくいので、今回はロウソクで考えます。

難しく考える必要はありません。実際に光の道筋を描いてみればすぐに分かります。

物体を焦点のちょうど上に置く

光が平行になりました。つまり、永遠に光は結びつかないので、実像はできません

物体を焦点のちょうど上に置くと、実像はできない
物体をちょうど焦点の上に置くと、実像はできない

じゃあ、虚像ができるのでしょうか?こちらも描いて考えてみましょう。

物体を焦点のちょうど上におくと、実像も虚像も見えない
物体を焦点のちょうど上におくと、実像も虚像も見えない

見ての通りで、光を延長しても平行になるだけで、結びつくことはありません。つまり、虚像もできません

このような状況でも、図を描いて考えられるようになればパーフェクトです。

そんなに厳密な凸レンズはありえないので、実際には、焦点のちょうど上にロウソクを置いたとしても、スクリーンにロウソクが映ると思います


しかしまずは今回のように、凸レンズと光の理論を学ぶことが大切です。

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