密度のグラフを学び、騙されずに物質を見極める

密度グラフ 中1理科

資産運用のために金(ゴールド)を買ってみたとします。2021年1月時点では、金の価格は1g約7,000円なので、1kgの金を買えば700万円です。

金1kg
金1kg。2020年11月現在で約700万円
https://www.nikkei.com/article/DGXLASDJ11H0G_R10C17A7000000/

純金を700万円で1kg買ったとします。でも、この純金が偽物だったらどうしますか?馬鹿にされ、騙されないためにもしっかりチェックする必要があります。


これが本物の金か偽物の金か知りたい時は、密度を利用します。なぜなら、金の密度は約19.3g/cm³ と決まっており、その物質の密度が約19.3g/cm³ ではないのならば、それは偽物の金だと分かるからです!

純金の密度

そこで、『密度の計算と、溺れないためにできること』で計算したように、1kgの金は、体積がどれくらいなのかを計算してみます。

金の体積を求める

計算すると、金1kgの体積は約51.8cm³ であることが分かります。20g/cm³ だとして暗算しても、だいたい50倍で50cm³ という数字を出すことができますね。

1kgの金の体積は51.8cm³であるはず

できる人は方程式で解いてもいいです。

方程式で金の体積を求める

はい、これで、「1kgの金の体積は、約51.8cm³になるはずだ!!」ということが分かりました。あとは大きめのメスシリンダーを準備して、1kgの金を沈めて体積を計量すればOK!


もし金1kgの体積が約51.8cm³ であったならば、本物の金だと考えてよいでしょう(誤差もあるからね)。

金が本物か偽物か判断
この例では1つの目盛りが10cm³なので、1/10の1cm³まで読むこと

もし、「1kgの純金ですよ」と言って渡されたものの体積が80cm³とか100cm³であった場合、それは純金ではありません。全く他の物質か、もしくは金に他の金属が混ざっており、あなたは騙されています。

普通の指輪やネックレスなどの金は、銀や他の金属が混ざっているので、そもそも純金(100%が金)ではありません。つまり、密度は 19.3 g/cm³ よりも小さいことが普通であり、詐欺ではありません。他の物質がまざっている金は、純度に合わせて「10金」とか「18金」とか言ったりします。

純粋な金は柔らかくて傷つきやすいので、特に装飾品の場合は他の金属を混ぜて補強することが必要なのです。


しかし資産としての純金(99.9%~100%の金)の場合は、密度はしっかり19.3 g/cm³ 近くでなければなりません。

🔎 密度を活用して、謎の物質を特定してみよう

あなたの目の前に、謎の物質があります。金属っぽいのですが、何の金属なのか分かりません。

謎の金属

先程の純金を見極めるのと同じ要領で、これが何の金属なのか簡単に知ることができます。

検索して、いろんな金属の密度を調べる

まずはスマホかパソコンを使って、google などの検索エンジンから金属の密度を調べましょう(参考)。

金属の名前密度 (g/cm³)
19.32
10.50
8.96
7.87
アルミニウム2.70
プラチナ(白金)21.45
ガリウム5.90
チタン4.51

物質ごとに密度は決まっているため、例えば謎の物質の密度が2.70g/cm³ なら、そのい謎の物質はアルミニウムであることが分かります。

謎の物質の質量と体積を測る

まず、謎の物質の質量を測ります。

謎の物質の質量

はかりで計測すると、この物質の質量は 77.29g でした。


続いて、メスシリンダーを使って体積を測ります。

謎の物質の質量と体積

その結果、体積は 13.1cm³ でした。

謎の物質の密度を計算する

謎の物質の質量と体積が分かったなら、計算すればすぐに密度が分かります。

謎の物質の密度

密度は 5.90 g/cm³ でした!表を確認する限り、この謎の物質はガリウムであることが判明しました。密度が分かると、計算によって物質を特定できるわけです。

実際は、メスシリンダーや計測器の精度などから誤差が生まれるため、ピッタリの密度にはなりません。


しかも、この方法はある程度純粋な物質にだけ有効です。もし70%がガリウム、30%は他の金属が混ざっていたりすると、密度が大きく変わってしまいます。

📈 密度のグラフ

物質と密度の関係を理解するため、グラフを描いて視覚化するのは素晴らしい方法です。

密度を表すグラフの線

縦軸に質量、横軸に体積をとった座標を作ります。

密度のグラフ座標

例えば、水の密度は 1g/cm³ です。1cm³ につき 1g なので、グラフに点を書き込んでみます。

密度のグラフに書き込む

当然、 2cm³ だと 2g ですし、5cm³ なら 5g10cm³ なら 10g になります。


その点もとって、線でつないでみます。

水の密度を表した線

これで、水の密度を表したグラフができました👏


この調子で、

  • 銅 (8.96 g/cm³)
  • 鉄 (7.87 g/cm³)
  • アルミニウム (2.70 g/cm³)
  • ひのき(0.49 g/cm³)

のグラフも描いてみましょう。

様々な物質の密度のグラフ

例えばある金属が目の前にあり、それは「銅」「鉄」「アルミニウム」のどれかであったとします。


質量と体積を測ってみると、その金属の質量は 20g 程度で、体積は 7cm³ でした。その点をグラフに書き込んでみます。

密度のグラフ

20g, 7cm³ の部分に書き込んだ黄色い点は、アルミニウムの線にとても近くなりました。


したがって、この金属はアルミニウムだと推測できます。グラフがあれば便利ですね。

測定に誤差が出るので、アルミニウムの線の上にぴったり点が描けるわけではありません。


また、不純物が混ざっていると密度も少し変わってしまいます。

傾きと密度の関係

以下のグラフでは、

  • 縦軸……質量(g)
  • 横軸……体積(cm³)

をとっています。


したがって、傾きが急であるほど密度が大きく緩やかであるほど密度が小さいことになります。

密度の大きさとグラフの傾き

このグラフさえ作っておけば、実際の密度の数値を知らなくとも、物質の密度の大小がすぐに分かります。

🤔 物質の性質をグラフで判断

密度の計算と、溺れないためにできること』では、

  • 水より密度が大きい物質は沈む
  • 水より密度が小さい物質は浮かぶ

ことを学びました。

物質の密度と、それが水に浮かぶか沈むか

水に浮かぶ物質をグラフで判断

様々な物質の密度のグラフ

上のグラフを見れば、

  • 水より密度の大きい物質
  • 水より密度の小さい物質

がひと目で理解できます。水のラインより傾きが緩やかな物質はひのきだけなので、水に浮かぶのはひのきだけです。

水に浮かぶ物質か沈む物質かをグラフで判断する

以下の表において、水に浮かぶ物質はA~Eのどれでしょう?

密度グラフから、水に浮く物質を判定する

もちろん、グラフからA~Eの密度を全て計算し、水の密度(1g/cm³)と比較して判断することもできます。

  • A… 9cm³, 1g (0.11g/cm³)
  • B… 3cm³, 5g (1.67g/cm³)
  • C… 6cm³, 2g (0.33g/cm³)
  • D… 6cm³, 10g (1.67g/cm³)
  • E… 1cm³, 4g (4g/cm³)

しかしもっと簡単な方法は、水の密度グラフを描いてしまうことです。

水の密度のグラフ

水のグラフより下にあれば、水より密度が小さいので浮かぶ物質です。


反対に水のグラフより上にあれば、水より密度が大きいので沈む物質です。

水に浮くゾーンと水に沈むゾーン

つまり、B, D, Eは水に沈み、AとCは水に浮かぶことになります。

グラフから、同じ物質を探す

ちなみにA〜Eのうち、どれかとどれかは全く同じ物質です。どれとどれが同じ物質なのでしょうか。

水に浮かぶ物質を密度のグラフから特定する

正解はBとDです。直線を引いてみると、同じ直線上にあります。


これはつまり、密度が同じであることを意味します。密度が同じなら、同じ物質!

密度グラフから同じ物質が分かる
原点から直線を引いてみると、同じ直線上にある

グラフから、最も密度が高い物質を判断

A〜Eのうち、最も密度が大きいのはどれでしょう?


それぞれの点を結び、直線グラフを描いてみれば分かります。一番急な坂道のグラフを探しましょう。それが一番密度が大きい物質。

密度グラフから、最も密度の大きい物質を選ぶ

最も密度が大きい物質がEであり、最も密度が小さい物質がAであることが分かりました。

密度グラフから、水銀に沈む物質を判断する

以下のA~Eのうち、水銀に沈む物質はどれでしょう?


水銀とは、常温で液体になる珍しい金属です。密度は13.6 g/cm³。

水銀に沈む物質をグラフから探る

水銀に沈むには、水銀より密度が大きい物質でなければなりません。そこでまず、水銀(13.6 g/cm³)の直線を描いてみることが大切です。

密度グラフから、水銀に沈む物質を見極める

水銀の直線より左側にある物質は、水銀よりも密度が高い物質です。したがって、CとEは水銀に沈む物質であることが分かります。

📚 おすすめ参考文献

📱 参考になったページ

アルキメデスが金の王冠を沈めたとき水はあふれたか? 冒頭で金の真贋を判定する方法を紹介する際、アルキメデスの逸話を交えて解説しようかと考えましたが、やはり浮力を学んでいない時期に、密度の話として王冠エピソードを使うのは誤解を招きそうで気に入らなかったのでやめました。

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