大怪獣ガメラを通して密度を学んだので、いろいろなものの密度を計算してみましょう。
最後には密度と水の関係を理解し、溺れて死なないためにできることを学びます。
🧮 密度の計算
以下にて、密度を求める式を復習。

質量(g)を体積(cm³)で割ることで密度を算出します。単位は g/cm³ です。
密度の基本計算
密度を求める計算をして、以下の表を埋めましょう。
サッカーボールの例に従って、密度を求めていきます。

密度は、質量÷体積で求められるので、サッカーボールの場合は 440÷5500 を解けば密度が出ます。
表にある他の物質「石」「消しゴム(プラスチックの一種)」「竹」「ゴム」も同じように計算してみましょう。

それぞれの物質の密度が求められました。
メスシリンダーを使って密度を計算
メスシリンダーが絡んだ問題も解いてみましょう。

答えは以下。

物質の質量は 15g で体積は 30cm³ となるので、密度は 0.5g/cm³ です。
密度から質量や体積を求めてみる
逆に、密度から質量や体積を求めることも慣れておきましょう。

23.7g の鉄があります。鉄の密度さえ知っていれば、この鉄の体積をメスシリンダーを使わずに求めることができます。
鉄の密度は 7.9g/cm³。1cm³の鉄の塊が7.9g であるということは、23.7gはちょうど3倍の質量です(23.7÷7.9)。

質量が 3倍 だということは、体積も 3倍 です。
したがって、23.7g の鉄の体積は、1×3 = 3cm³ になります。

χ などを使った方程式をすでに学んでいるのなら、そちらの方法で解いてもOK

この調子で、あと二問。

9.17÷2.62を解くと、3.5。したがって、体積も3.5倍です。

方程式での解き方↓

次は、密度から質量を求める問題。基本的に同じ解き方をします。

答え↓

0.9 × 450 で、答えは 405g です。
方程式での求め方↓

密度を使えば、空気の質量も分かる
空気の質量も、計算すれば簡単に分かります。

まずは、密度の単位は cm³ で表すので、「縦5m, 横5m, 高さ10mの空気」の体積を cm³ で表す必要があります。mを cmに直すと、「縦500cm, 横500cm, 高さ1,000cm」となり、体積は 250,000,000 cm³ となります。

それを元に計算すると答えが出ます。

答えは 325,000g (325 kg)。
方程式での計算↓

計算して分かるように、空気は意外と質量があります。
🏊 水に沈むのか、浮かぶのか
質量がある重い丸太は水に浮かぶので、いかだを作ることができます。

しかし一方で、軽いスマホや鉄の釘は水に沈んでしまいます。

なぜ、重いものが浮かぶのに、軽いものが沈むでしょうか。それは、「水に浮かぶか沈むかは、重さや質量でなく密度が決める」からです。
水の密度は 1 g/cm³
物質の密度は、物質ごとに決まっています(こちら参照)。
- 空気…0.0013g/cm³
- 発泡スチロール…0.02g/cm³
- 水…1g/cm³
- アルミ…2.7g/cm³
- ダイヤモンド…3.5g/cm³
- 鉄…7.9g/cm³
- 銀…10.5g/cm³
- 金…19.3g/cm³
水温にもよりますが、水は 1cm³ (1ml)で1gだと知っておいてください。
水の密度より大きいものは沈む!
「これは水に沈むのか?浮かぶのか?」を判断することは難しくありません。
例えば、サッカーボールとボウリング球、水の密度を並べてみます。

水より密度が大きな物質は水に沈み、水より密度が小さな物質は水に浮きます

水の密度 1g/cm³ より大きな密度があれば沈むし、小さければ浮かびます。いろいろな物質の密度をまとめたのが以下の表です(密度は物質ごとに決まっています)。

よく、灯油やガソリンなどの石油製品が海に流れ込み、環境破壊をしてしまうシーンをよく目にします。

灯油などの石油製品の多くの密度は水の 1g/cm³ よりも小さいので、水に浮かんで漂いつづけることになります(海は海水なので、厳密には真水より密度が大きくて 約1.01g/cm³ ほど)。
液体の密度により、浮かびやすさが変わる
水銀という物質(金属)があります。

水銀は、常温で液体である珍しい金属です。液体ですが、金属なので密度がとても大きいです。

水銀の中に物質を入れてみると、ほとんどの物質が浮かびます。
なぜなら、水銀よりも密度の大きな物質しか沈まないからです。

水銀は密度がとても大きいので、水銀に物質を沈めることはとても難しいです。大きな鉄の塊でさえ、水銀に沈めることはできません。金なら沈むよ。
🏄🏿♀️ 死海でプカプカ浮かべる理由
アラビア半島には、死海と呼ばれる湖があります。塩分濃度があまりにも濃く、魚などの生き物が住めないのでこんな名前がついています。
海の水は十分塩辛いですが、海の塩分濃度は3%。しかし、この死海の塩分濃度はなんと約30%です。つまり、水の中にたくさん塩分などが含まれているため、密度が普通の水に比べて大きくなっています。
- 真水の密度… 約1 g/cm³
- 海水の密度… 約1.01 g/cm³
- 死海の密度… 約1.3g/cm³
人間や動物の体の密度も、だいたい水と同じ約1g/cm³ といわれます。したがって、人間は死海にはとっても浮かびやすい。余裕で本が読めるみたいです。行ってみたいですね。

🏊 溺れ死なないために
毎年、川遊びや釣り、海水浴で溺死する人が後を絶ちません。令和元年には695人が水難事故で亡くなる、もしくは行方不明になっているようです(令和元年における水難の概況)。
川や海のような自然の前では、いくら泳ぎが得意でも悪状況が重なれば溺れ死んでしまいます。そこで、溺れそうになったときに少しでも生存確率を高める方法を学んでおきましょう。詳しくは以下を読んでください。

川や海で溺れそうになったら、とにかく救助が来るまで「浮いて待つ」ことが大切なようです。
密度の小さなものを持て
浮いて待つために効果的なのは、密度が水より小さなものを持つこと。密度が小さいほど浮かぶ力が強いです。浮き輪があれば助かりますが、もし、
- 靴
- ランドセル
- 空のペットボトル
などがあれば、それをラッコのような格好で利用することがよいようです。もし川に落ちて溺れそうなときに靴を履いていたら、決して脱ぎ捨てないで。密度が小さいから浮かんでくれます。

逆に、溺れている人を助けたいときは泳いで助けにいってはいけません。大人でも溺れている人を助けるのは難しく、一緒に死んでしまう可能性の方が高いからです。
だから密度の小さいものを見つけて、溺れている人に投げて、浮かんで待つように言いって、それから119番通報しましょう。日頃から、ラッコの格好で浮かぶレッスンはしておくべきですね。
声を出してはいけない!
浮いて救助を待っているときは、「助けて!」など声を出してはいけません。なぜなら、肺の中の空気が抜けてしまうから!
空気の密度は約0.0013g/cm³くらいなので、水に強い力で浮かびます。空気が肺に貯まっているということは、浮き袋を持っているようなもの。もし声を出して肺から空気が抜けてしまえば、体の密度が大きくなってしまい、水に沈みやすくなります。

特に川や湖に注意

水銀にはほとんどの物質が浮かぶように、密度が大きい液体ほど、浮かぶことは簡単です。
海には塩分などが含まれているので、川や湖の水よりも密度が大きいです。したがって、海の方が少し体が浮かびやすいことになります。川や湖は水の密度が小さい分、海よりも沈みやすいことを覚えておきましょう。流れも速いし、決して油断しないこと。
また、光の屈折による不思議現象で学んだように、川底は見た目よりも深いことも思い出してください。

今回は密度と水の関係を学びましたが、その知識を生かして少しでも事故の確率を減らしましょう。以下の記事は必ず読んでくださいね!

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