【密度】浮かぶ物質、沈む物質

密度 中1理科

アルキメデスの原理を覚えていますか?


水に入った物質は、そのおしのけた水の重さだけ、浮力を受けることができます。

アルキメデスの原理

水中では、全ての物質に浮力が働いています


しかし、沈む物質もあれば、浮かぶ物質もあります


例えば丸太とクギを比べると、丸太は浮かんでクギは沈みます。たとえ、クギの方が小さくて軽くとも。

重い丸太は浮かび、軽いクギが沈む

これはなぜでしょう?水に浮かぶのか沈むのかは、何が決め手になっているのでしょう?

水に浮かんだり沈んだりする分かりやすい理由

「物質が水に沈むのか、沈まないのか」は、物理ではとても簡単に理解できます。


物質の重さが浮力より大きければ水に浮かび、浮力より重さが大きければ水に沈みます。

物質が水に浮かぶか、沈むか

重さが浮力に勝っていれば、当然沈んでゆきます。浮力が勝っていれば、浮かんでゆきます。

アルキメデスの原理によると、押しのけた水の重さこそが、浮力そのものでしたよね。


物質を水に沈めたときに溢れた水の重さが 10N であれば、浮力も 10N でした。

アルキメデスの原理の復習

ということは、もしこの物質の重さが 10N よりも大きければ、物質は水に沈むはずです。


反対に、もしこの物質の重さが 10N よりも小さければ、物質は水に浮かぶはずです。

重さより浮力が大きければ浮かび、小さければ沈む

これこそ、「何が浮かんで、何が沈むのか?」がすぐに分かる考え方です。重さと浮力の戦いで、どっちが勝つのかを考えればよいのです。


丸太は、はたらく浮力の方が大きいから浮かびます。クギは、重さの方が大きいから沈みます。

重さが浮力より大きければ物体は沈む

物質の体積あたりの質量【密度】

「水に浮かぶのか沈むのか」を分ける決め手は「物質の重さと浮力、どちらが大きいか」です。


しかし、実はもっと簡単な判断方法があります。


それは、密度を考えることです。

密度とは、体積あたりの質量を表す

密度とは、体積あたりの質量を表す指標です。

体積とは、「物質の大きさ」とほとんど同じ意味です。

例えばボウリングの球と同じ体積の綿菓子があったとします。


しかし、ボウリングの球の方が圧倒的に質量が大きいですよね。よって、ボウリングの球の方が密度が大きいといえます。

ボウリングの玉と綿菓子の密度

ボウリングの球には物質の成分がぎっしり詰まっていますが、綿菓子は空気が多くてスカスカなわけです。

ボウリングの玉と綿菓子密度比較
それぞれ同じ体積を切り出した場合、綿菓子が圧倒的に軽い

金でも鉄でも木でも何でも、全ての物質はそれぞれの密度を持っています。

それぞれの密度

密度を表す数式

この物質の密度は、数式で計算することができます。


密度とは体積あたりの質量であるので、質量を体積で割ると数値が出ます。

具体的には、g(グラム)cm³ (立方センチメートル)で割ります。

密度と質量と体積

密度の単位は、そのまま分数の線を斜めにし、g/cm³ と書きます。


グラム毎立方センチメートル(グラムまいりっぽうセンチメートル)と読みます。

密度の単位、グラム毎立方センチメートル
密度の単位は「グラムまいりっぽうセンチメートル」と読む。分数の線が斜めになっただけ

例えば、サッカーボールの体積は約5500cm³ です。質量は 約440g です。


つまり、サッカーボールの密度は……

サッカーボールの密度

0.08 g/cm³ だということになります。

つまり、サッカーボールから 1cm³ だけ切り取れば、それは 0.08g になるということ。

もちろん、2cm³ 切り取れば 0.16g になる。

例えばボウリングの球の大きさ(体積)は、サッカーボールと同じくらい。質量はボールによって違いますが、重いものでは 約7kg(7000g) のものがあります。


つまり、ボウリングの重い球の密度は……

ボウリングの球の密度

7000 ÷ 5500 を計算して四捨五入すると、1.27 g/cm³ となりました。


サッカーボールは 1cm³ あたり 0.08g であり、ボウリングの球は 1cm³ あたり 1.27g の質量だということですね。

密度の意味
密度(g/cm³)とは、その物質の1cm³あたりの質量を表している

水の密度は 1g/cm³

もちろん、液体にも密度があります。


水の密度はとてもシンプルで、 1g/cm³ です。水 1cm³ あたりの質量が 1g だということですね。

水の密度は1g/cm³

1 g/cm³ なので、水は 1cm³ で 1g になるという意味。


もちろん、水が 2cm³ あれば 2g ですし、10cm³ あれば 10g です。


それが【密度】の意味。

密度が水より大きければ、水に沈む

サッカーボール、ボウリングの球、水のそれぞれの密度を並べてみましょう。

物質の密度比較

実は「水に浮かぶか、沈むか」は、密度によって簡単に判断できます。


水より密度が大きな物質は水に沈み、水より密度が小さな物質は水に浮きます

水に浮かぶ物質、沈む物質

水の密度 1g/cm³ より大きな密度があれば沈むし、小さければ浮かびます。


いろいろな物質の密度をまとめたのが以下の表です。
(密度は、物質ごとに決まっています。)

様々な物質の密度と、水に浮かぶか沈むか

「木材」と言っても、密度は木の種類によります。今回はスギの木の密度で考えています。

よく、灯油やガソリンなどの石油製品が海に流れ込み、環境破壊をしてしまうシーンをよく目にします。

石油が海の表面を漂う理由
https://www.greenpeace.org/usa/90000-gallon-oil-spill-looks-like/

灯油などの石油製品の多くの密度は水の 1g/cm³ よりも小さいので、水に浮かんで漂いつづけることになります。

海水は塩分を含むため、厳密にいえば水より密度が大きいです (約1.02g/cm³)。

重い丸太は水に浮かび、軽いクギが沈むのも、密度を考えればすぐに分かることですね。

木材(スギ)の密度は約0.38, 鉄の密度は約7.86。

密度が大きい物質は沈む

水より密度が小さな物質は、浮力が強くなり浮かびます。反対に水より密度が大きな物質は、重さが大きくなり沈みます。

液体の密度により、浮かびやすさが変わる

今までの話は、あくまでも「水」に限った話。


それでは、「水銀」という液体について考えてみます。

水銀

水銀は、常温で液体である珍しい金属です。液体ですが、金属なので密度がとても大きいです。

水銀の密度は13.6g/cm³

したがって、水銀の中に物質を入れてみると、ほとんどの物質が浮かぶはずです。


水銀よりも密度の大きな物質しか沈まないからです。

水に浮かぶか沈むか、水銀に浮かぶか沈むか。密度表

つまり、密度の大きな液体ほど、物質は浮かびやすいのです。

アラビア半島にある湖、死海を知っていますか?

プカプカ浮きながら新聞を読む姿から分かるように、死海ではとても浮かびやすいです。


死海は塩分濃度が海水の約10倍、30%ととても高い珍しい湖です。当然、死海の水の密度はとても高くなっており、約1.33g/cm³ です。


密度が高い水なので、普通の水よりもとても浮かびやすいわけです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました