【乱反射】目の前のリンゴと、その虚像が見える理由を学ぼう

乱反射 中1理科

この回では、乱反射を通して「なぜ、目の前のリンゴが見えるのか?」を学びます。


反射の法則について基本を理解していることが前提なので、まだの人は先に以下の2つを学んでおきましょう。

【反射の法則①】水面に富士山が映っているのはなぜ?
【反射の法則②】鏡に物体が映るのはなぜ?虚像(バーチャルイメージ)を作図してみよう

光があらゆる方向に反射する「乱反射」

光の入射角と反射角は必ず等しい、反射の法則を学びましたね。


物体にぶつかった光は、以下のように、入射角と反射角を等しく反射させます。

入射角と反射角は等しい
反射の法則。入射角と反射角が等しい

ここで一つ考えてみましょう。


鏡や静かな水面のように、表面がツルツルであるものに光がぶつかると、キレイに入射角と反射角が等しくなることは間違いありません。


しかし普通の物体は、鏡のようにツルツルしているわけではありませんよね。

多くの物体の表面は、よく見るとザラザラしている。

目の前の机の表面も一見ツルツルしているはずですが、実は表面はザラザラです。


そんな物体に光がぶつかった場合は、あらゆる方向に光が反射することになります。

これを、乱反射といいます。

乱反射の図
ふつう、物体にぶつかった光は乱反射している
リンゴに乱反射している様子
あらゆる方向に光が反射する乱反射

乱反射は、光をデタラメな方向に反射します。


しかし、一つ一つの光は、全て反射の法則を満たしていることに注意!

乱反射における反射の法則
乱反射においても、入射角と反射角は同じ

  • 鏡や静かな水面 … 乱反射しない
  • それ以外の普通の物体(リンゴなど) … 乱反射する

ということを覚えておきましょう。

出発点を探す目の働き

ここから、「なぜ、目の前のリンゴが見えるのか」を深く考えていきましょう。

まず、光源からの光がリンゴにぶつかります。


リンゴの表面はザラザラ、ボコボコしているので光を乱反射します。

光がリンゴで乱反射している

たくさんの光が目に入りますが、このうち2本だけピックアップしましょう。

リンゴから目に入る2本の光

今、2本の光が目に届いています。
(本当はもっと数えきれないほど目に届いています)


この目は2本の光を感知することで、


「この2本の光の出発点は、あの点だ」


と認識しています。ちょうど青い丸をつけた点ですね。


このように、たくさんの光の出発点を見つけることで、私たちは物体を見ているのです。

もし、リンゴが鏡のようにツルツルで、乱反射しない物体だったらどうなるでしょう?

乱反射しなければ、ある方向からの光が目に届かなくなってしまいます。

一部の光が目に届かなくなってしまう

目の前のリンゴや机、ペンや時計が見えるのも、表面で光を乱反射しているからです。


富士山が見えているのも、富士山は光を乱反射しているからですね。

富士山は光を乱反射している

たくさんの光の出発点は赤い丸ですよね。だから、赤丸部分に山頂を見ることができます。

番外編: 鏡や水面に、虚像が見える理由

ここで少し話が変わりますが、乱反射を理解した上で、もう一つ目の不思議にせまってみましょう。


「目は光の出発点を見つけて、物体を見る」という性質が分かれば、鏡に映る虚像が見える理由も分かります。

鏡の前の物体が映る理由

【反射の法則②】で学んだ、「鏡の前の 点P がなぜ鏡に映るのか」をもう一度詳しく見てみます。

鏡に映る点P

点Pの見える位置は、方眼紙を使って作図しました。


しかしもっと詳しく描くと、鏡から反射した光は、もっとたくさん目に入っているはずです。

鏡にうつる虚像の作図
Pから鏡に反射して目に届く、2本の光

上では、鏡に反射して目に届く2本の光を描いてみました。2本目は少し目から外れるように見えますが、目は十分大きく、両方の光を受け取れると考えます。

鏡は乱反射しないことに注意。


この2本の光を受け取った目は、いつもどおり光の出発点を探します。

光の出発点はどこ?

2本の光を鏡の向こう側に延長してみると…

鏡像を認識する目
2本の光が一つに交わる点に、物体があると思ってしまう

光を延長すると、一つに交わる点が見つかります。


そうなると目(脳)は、


「この光の出発点はあそこだ!だから物体もあそこにあるに違いない


と勘違いしてしまいます。そして実際に、その部分に像が見えてしまいます。


しかし、これはあくまでも目が勝手に想像した像です。
実際の光はそこから出発しているわけではありません。なので、鏡に映る像は、虚像(バーチャル・イメージ)だというわけです。

作図する場合は、わざわざ2本の光を描く必要はありません

【反射の法則②】で学んだように、1本だけの光でOKです。

実際は、たくさんの光の出発点を探した結果、P’ の位置にみえることを理解しましょう。

逆さ富士が見える理由

【反射の法則①】で学んだ、逆さ富士が見える理由も同じです。


例えば山頂から水面に乱反射した、2つの光をピックアップしましょう。

複数の光の出発点を想像している
山頂から乱反射した光のうち、2本をピックアップ

この2つの光の出発点を探すから、水の中に山頂があるように見えるのです。

【反射の法則①】では以下のような図で説明しましたが、正確ではありません。

上の図は、簡単に説明するために利用したものです。

この図も、

鏡の中に石が見える

正確には↓こんな状態です。

鏡に石が映る虚像の図


「物体は光を乱反射するからこそ、目に見える」ことを理解し、そこから虚像が見える理由まで分かれば完璧です。

もっと勉強を進めていくと、「出発点を探す」という表現よりも深く理解することができます。


今は光と目の働きをこのように覚えておき、今後の勉強に活かせるようにしましょう。

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