科学者たちは、質量パーセント濃度という基準をつくり、世界を発展させたことは学びましたよね。
具体的にいえば、「この溶液が100gあったとき、溶質は何gあるのか?」を示す指標です。
実はこのパーセント(%)、あまりにも便利な指標であるため、どんな職業でどんな人生を送っても、必ず一生付き合っていくものです。
科学者としての基礎能力にもなるこの計算。よく計算問題を練習しておくと、とても人生に役立ちます。
今回で、水溶液の質量パーセント濃度の問題を使い、パーセントの考え方をたくさん練習してみましょう。
パーセント(percent, %)の、”パー(per)” とは「…毎に, あたりの」という意味で、”セント(cent)” とは「100」という意味です。
したがって、パーセント(percent, %) は「100あたり、どらくらいあるの?」を表す言葉です。

- 🧮 質量パーセント濃度の基本計算
- 🧮 溶質の質量を求める式
- 🔥【質量パーセント濃度】水や食塩を加えたり、蒸発させる
- 14%の食塩水320g に、さらに水を800g 加えた。この食塩水の質量パーセント濃度は何%になったのか?
- 9%の砂糖水120g に、さらに水を50g 混ぜた。この砂糖水の質量パーセント濃度は何%になったのか?小数点第2位を四捨五入し、第1位まで求めたい
- 4%の食塩水150gに、食塩をさらに12g 溶かしてみた。この食塩水の質量パーセント濃度は何%になっただろうか?小数点第2位四捨五入で第1位まで求めたい
- 6%の食塩水400g を熱すると、蒸発して320gの食塩水になった。この質量パーセント濃度は何%になったのでしょう?
- 5%の砂糖水240g と、12%の砂糖水200g を混ぜました。この混ぜた砂糖水の質量パーセント濃度は何%?小数点第2位を四捨五入で第1位まで求めたい
🧮 質量パーセント濃度の基本計算
質量パーセント濃度を求めるには、
- 溶液1gあたりの溶質(g)を求める
- それに100をかける
の2つを順番に行えばOKですね。
それを分かりやすくまとめた公式が以下でした。

この公式を使ってどんどん練習しましょう。
40gの食塩水に、6gの食塩が溶けている。この食塩水の質量パーセント濃度は?

質量パーセント濃度を求めるには、公式にあてはめれば一瞬。

質量パーセント濃度は15%でした。食塩水が100gあれば、その中に15gの食塩が溶けているくらいの濃さ、ってことです。
138gの水に、12gの砂糖を溶かした。この塩酸の質量パーセント濃度は?
問題をよく読めば、溶液は 138 +12 = 150g です。注意。

この砂糖水の質量パーセント濃度は8%でした。
9gの塩化水素が溶けた180gの塩酸の質量パーセント濃度は何%だろうか?

この塩酸の質量パーセント濃度は5%でした。
100g の水に、砂糖を 25g 入れて溶かしました。この砂糖水の質量パーセント濃度は?

この砂糖水の質量パーセント濃度は20%でした。
123gの水に、12g の塩化ナトリウムを溶かした。この水溶液の質量パーセント濃度を、小数点第一位を四捨五入し整数で求めよう

8.219…%でしたが、小数点第一位を四捨五入した整数では、8%ですね。
🧮 溶質の質量を求める式
質量パーセント濃度に負けないほど重要なもう一つの指標は「溶質の質量」です。
溶液の質量なんて、計量器に乗せればすぐに数字が出ます。しかし「溶質の質量」は計算しなければ分かりません。
したがって「この溶液には、溶質が何g 溶けているのか?」をスムーズに計算することは、見えないものを見抜く科学者のセンスを磨くことになるのです。
質量パーセント濃度が8%の食塩水が350gありました。この水溶液には、何gの食塩が溶けているでしょう?
食塩水の食塩など、溶質のg を求めるためには「溶液(g) × 濃度 = 溶質(g)」の式を使います。
質量パーセント濃度の式を変形してできたものです。

例えば10%は、分数に表すと100分の10。25%は、分数では100分の25。
食塩水350g の8%が食塩(塩化ナトリウム)なのだから、350に100分の8をかけてあげればOK。

28gの食塩が溶けていることが分かりました。
もう一つの解き方として、方程式を使う方法も魅力的です。
食塩(g) を x とおいて、公式にあてはめて方程式にできます。

同じ 28g の答えが出ましたね。
同じ問題をいろんな方法で答えを出すことは、頭脳を鍛えるとてもよい練習になります。積極的にチャレンジしましょう。
質量パーセント濃度9%の塩酸が 250g ありました。この塩酸には、何g の塩化水素が溶けていますか?

22.5gの塩化水素が溶けていることが分かりました。
方程式を使う方法↓

求めたい塩化水素(g) を x とおけば、方程式で簡単に求めることができますね。
方程式が得意な人は、こちらの解き方でもいいでしょう。
25%の濃度のアンモニア水150gを作るには、何gの水に、何gのアンモニアを溶かせばよいですか?
今までと少し問われ方が違いますが、やることは全く同じです。
25%のアンモニア水150gなので、溶けているアンモニア(g) を求めましょう。

25%のアンモニア水150g には、アンモニアは37.5g 溶けているはずです。
あとは全体の150g から引き算すれば、溶媒の水は112.5g だと分かります。
求めたい溶質を x とおいて方程式を解いてもOK。

🔥【質量パーセント濃度】水や食塩を加えたり、蒸発させる
基本が分かれば、少し変わった切り口の問題も解けます。
こういう数学的な問題は、パズルを解くように楽しんで考えることが大切です。
14%の食塩水320g に、さらに水を800g 加えた。この食塩水の質量パーセント濃度は何%になったのか?
「少しややこしいかな?」と感じる場合は、まず溶質の質量を求めるとスムーズに解けるはずです。
溶けている食塩の質量は、水を加える前後で変化しません。

溶質が44.8g であることが分かれば、すぐに公式に当てはめることができますよ。

水800gを加えたので、溶液は 1120g になりました。
計算すると、14%の食塩水は、水を加えて4%に薄まったことが分かりました。
9%の砂糖水120g に、さらに水を50g 混ぜた。この砂糖水の質量パーセント濃度は何%になったのか?小数点第2位を四捨五入し、第1位まで求めたい
まずは溶けている砂糖の質量を求めるところから。
溶けている砂糖の質量は、水を加える前後で変化しません。

あとは、公式にあてはめてしまいましょう。

正解は6.4%になりました。スラスラ解けるようになると、とても楽しいですよ。
4%の食塩水150gに、食塩をさらに12g 溶かしてみた。この食塩水の質量パーセント濃度は何%になっただろうか?小数点第2位四捨五入で第1位まで求めたい
今度は、溶質を追加で溶かすパターン!
しかしやることは同じ、とにかくまず、溶質の質量を求めましょう。

もともと6g の食塩が溶けていたことが分かりました。
溶質が分かれば、あとは公式に当てはめましょう。

小数点第2位を四捨五入すると、4%から11.1%まで濃度が高くなったことが分かります。
6%の食塩水400g を熱すると、蒸発して320gの食塩水になった。この質量パーセント濃度は何%になったのでしょう?
食塩水を熱すると、水だけが蒸発し、食塩水が濃くなります。
これも同じ方法で考えて問題ありません。

もともと溶けている食塩の質量は 32g なので、このまま式に当てはめましょう。

しっかり、分母の溶液を減らして計算すればOK!とくに特別難しくはなってませんね。
質量パーセント濃度は 7.5% でした。
5%の砂糖水240g と、12%の砂糖水200g を混ぜました。この混ぜた砂糖水の質量パーセント濃度は何%?小数点第2位を四捨五入で第1位まで求めたい
2つの水溶液を混ぜる場合。これも、溶質の質量をまず求めること。

2つの水溶液の食塩の質量が求められました。では混ぜた水溶液の数字を、公式にあてはめてやりましょう。

食塩の質量と、合計の食塩水の質量を足して求めれば、あとはいつも通りの計算。
食塩水の濃度は、8.2%になりましたね。
これにて質量パーセント濃度の基本は終了です!これで、科学者の素質の「基礎の基礎」は身についたはず!
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