素材の王様【金属】のすごい性質を知る

金属の性質 中1理科

もし、電柱がろうそくでできていて、学校がチョコレートでできていたらどうでしょう?


チョコレートなら嬉しいかもしれませんが、昼間は学校が暑さにやられて、グニャグニャに溶けてしまって崩壊しますよね。勉強になりません。

溶ける学校と電柱

電柱にしても学校にしても、何かを作るときはその素材を考えなければなりません。適切な素材を使わなければ、後で大変なことになってしまうからです。


身近にある素材といえば、

  • ガラス
  • プラスチック

などがあります。何かを建築したり利用するときは、これらの性質をよく理解して、ピッタリなものを使わなければなりません。


今回は、その中でも素材の王様である金属について深く学んでいきましょう。

いろいろな金属

「物質」と「物体」の違い

これからは主に、金や鉄など金属の性質について話していきますが、これらをすべて「物質」とよびます。


「物質」とは、アルミニウムなど金属、ガラスやプラスチックなど、いろんなものの素材(材料)になれるようなものを言います。


反対に、電線や鍋、スマホやコップなど、材料から作った目的あるものは「物体」とよびます。

物質と物体の違い
物質 = 素材  物体 = 製品

パソコン、スマホ、机、筆記用具、食器やサッカーボール……。日常生活では物体ばかりが目につき、物質について考えることはあまりありません。


しかし理科は、「これらの物体は、何からできているのだろう?どんな性質を持っているのだろう?」と考えるため、主に物質についてを学ぶ科目なのです。

金属の性質

車や電車、飛行機などの乗り物はもちろん、学校や病院などの建物、もっと身近なものではパソコンやスマホなど、あなたの身の回りの物体のほとんどは、金属からできています。

素材としての金属
世の中のほとんどの物体は、金属を活用している

なぜ、こんなにも金属が使われているのでしょうか?


その理由は、金属がとっても優れた性質を持った物質だからです。


その優れた性質を、一つ一つ解説していきます。

電気を通しやすく、熱を伝えやすい

金属は、電気をよく通してくれます。

金属は電気をよく通す

現代の日本で生きる限り、電気のない生活など 100% ありえません。


電気がなくなってしまえば電灯はもちろん、エアコンやインターネットも使えませんし、病院でも装置が止まって死者が出るでしょう。電車や車も走れません。

電気がなければ動かないもの
もはや、電気なしでは生きていけない時代

だからこそ、「電気をよく通す」性質がある金属は、私たちにとって不可欠です。


金属を使えば、家や乗り物、スマホなど、あらゆる物体に電気を送ることができます

もちろん電気を送る電線も、金属を使っています。

電線に使われるアルミニウム
空中に設置するので、軽い金属を使う

パソコンやスマホ、医療機器などの精密機械にももちろん、金属が大活躍。

電子回路
スマホを解体すると出てくる電子回路。金や銀、銅などが使われる

金属は電気だけでなく、熱もよく伝えてくれます。


この性質は、鍋やフライパン、やかんなど、料理をするときにとても便利です。

鍋には金属が使われる
金属のおかげで、食べ物に火を通せる

アイロンも服を熱の力で伸ばすため、熱をよく伝える金属の力を借りています。


電気をよく通し熱を伝えることは、金属の便利なところですね。

柔らかく、柔軟性がある(展延性)

本来の金属は意外にも、柔らかさを持っているものです。


例えば、鉄でできた釘(クギ)をハンマーでしつこく叩けば、やがて薄く伸びていきます。

https://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/kagakukiso/archive/resume013.html

特に金はとても柔らかく、ハンマーで叩いたり押し付けていると、たった 1g の金を 約1m² の薄いシートにすることも可能です。

これが、金閣寺や大仏に使われている金箔です。

金箔の利用
金の柔らかさを利用した金箔

粘土なども薄く伸ばすことができますが、金ほど薄くはできませんし、何より伸ばしている途中でちぎれてしまいます。


極限まで薄くしても、ちぎれずに伸ばせるのが金属の特徴です(特に金や銀が優れている)。


このように、金属の「たたけば薄く広がる」性質を、展性(てんせい)とよびます。

金属の展性

金属は、うすく広がる展性だけでなく、単純に引っ張って伸ばすことにも優れています。


例えば、たったの 金1g から、なんと 2.8km も糸のように引き延ばすことができます。

1gの金を伸ばすと2.8kmになる
ちなみに、金 1g は 5000~6000円

このような、金属の「引っ張れば伸びる」性質を延性(えんせい)とよびます。

銅の延性
銅を引き伸ばし、銅線にする

たたくと薄く広がる「展性」と、引っ張れば伸びる「延性」は、金属の大切な性質です。

金属の展性と延性

金属の柔らかさ(展性と延性)を利用して、金属製品は工場でプレス加工により大量生産されています。


例えば工場で鍋をつくるときは、鍋の型に金属プレートをおしつければいいのです。

強い力でプレス(押しつける)されることで、金属プレートはぐにゃりと鍋の形に変わります。


このプレス加工を機械にまかせておけば、大量の鍋を作り出すことができます。


もし石の板から鍋を作ろうとすれば、一つ一つ削って作らなければなりません(プレスすると割れて壊れてしまうから)。

「金属はとても硬い」と思われがちですが、本来の金属は柔らかいものです。


しかし、いろんな金属を混ぜ合わせることで、硬い金属を作ることもできます。

金属光沢がある

金属は、磨くとピカピカ光る性質があります。


金や銀はもちろん、身の回りのアルミホイルやナイフ、フォークも光っています。

身の回りの金属光沢

この金属が持つ特有のピカピカ光る性質を、金属光沢(きんぞくこうたく)といいます。


金銀銅のメダルが輝いて素晴らしく感じるのは、金属光沢のおかげです。

金属光沢のあるメダル

金属のほとんどは、磁石につかない

多くの人は、金属は磁石にひっつくものだと思っています。


しかし本当は、磁石にひっつく金属は限られています。


磁石にひっつく金属は、身近なものではくらい。金銀銅、アルミなどは磁石にひっつきません

磁石につく金属、つかない金属

ジュースが入っている缶は、アルミ缶スチール缶の2種類があります。


アルミ缶はアルミニウムでできており、スチール缶は鉄でできています。


どちらも金属ですが、鉄でできているスチール缶のみ、磁石にひっつくわけです。

スチール缶だけ磁石にひっつく
炭酸などはアルミ缶、コーヒーなどはスチール缶が多い

金属と非金属

金属以外の物質は、非金属とよばれます。


例えば、ガラス黒鉛プラスチックゴムなどが代表的な非金属です。

金属と非金属

ガラスやプラスチック、ゴムは非金属なので、

  • 電気を通しにくく、熱を伝えにくい
  • 展性や延性がとぼしく、壊れやすい
  • 金属光沢はない

といった、金属と反対の性質を示すことが多いです。

もちろん、黒鉛は非金属でも電気を通しますし、全てこの性質があてはまるわけではありません。

非金属の中でも、ゴムは特に電気を通しにくい物質です。


そのため、電気を通す導線をゴムで覆うことで、人間を電気から守ることができます。金属と違って錆びないのも、非金属のいいところです。

金属と非金属の組み合わせ
ゴムで覆うことで、電気が外にもれないようにする

このように、何かを作ったり建築したりするときは、金属と非金属の性質をよく理解し、うまく活用していくことが必要です。

ダイヤモンドは非金属

ダイヤモンドはピカピカ輝いているし、宝石店では金や銀と同じく、とても人気がある宝石です。


なので、ダイヤモンドも金や銀と同じく、金属であると思っていませんか?

非金属のダイヤモンド

しかし、ダイヤモンドは金属ではありません


光沢はありますが、電気を通しませんし、展性や延性もないので、叩いたりすると砕け散ってしまいます。

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