炭素で見分ける【有機物】と【無機物】

炭素で見分ける有機物と無機物 中1理科

地球上にある物質では、金属は素材の王様としてとても大切な存在でした。


金や銀、鉄やアルミニウムがなければ人類の進歩もなかったでしょう。


今回はもう一つのとっても大切な物質、炭素について学んでいきます。

物質の大切な分類方法、【有機物】と【無機物】

物質は大きく分けて、

  • 金や鉄など、電気をよく通す金属
  • ゴムやガラスなど、電気を通しにくい非金属

に分けることができました。

金属と非金属

金属は私たちの暮らしにとってとても大切なので、「この物質が金属なのか、非金属なのか?」を見分けることもとても大切だからです。


しかし今回は、もう一つの物質の分類方法として、「有機物」「無機物」を学びます。

有機物と無機物

有機物とは、炭素を含む物質のことです。反対に無機物とは、炭素を含まない物質です。

厳密に言えば、有機物は「炭素」「水素」を含む物質のことです。

慣れないうちは、特に「炭素」について考えます。

炭素を含む有機物、含まない無機物

金属と同じく、炭素も人間にとってとても大切な物質であるので、炭素を含む【有機物】なのか、含まない【無機物】なのかを見分ける必要があるのです。

炭素も、私たちの暮らしに不可欠な物質

炭素は特に、生物の生命活動にとっても大切な物質です。例えば、人間の体の約18%は、炭素でできています。

人間の体の構成要素
体を形作る元素
https://www.kodomonokagaku.com/hatena/?56df243e4d1386c59bbb57f533ca2b4c

上の割合をみると、体の66%が酸素でできています。
人間のほとんどは水分でできているので、水を作るために酸素が必要だからです。


しかし、骨や筋肉、脂肪などの多くが炭素によってできているのです。人間にとって大事なDNAも、炭素でできています。


だからこそ、「人間の体にとって大切な部分は、炭素からできている」ということができます。これは動物でも植物でも同じであり、炭素は全ての生命活動に不可欠な物質です。

身の回りにあふれる炭素
植物も動物も、主に炭素でできている

生活に欠かせない【有機物】

炭素は人間や動物の体だけでなく、金属と同じく、物体の素材としても活躍しています。


例えば、

  • プラスチック
  • 木材
  • ろう
  • 砂糖
  • デンプン
  • 石油

などなど、これらは全て炭素からできています。つまり、これらは全て有機物です。

有機物の例
身の回りの便利な物質の多くは、炭素を含む有機物

動物や植物の体は、多くが炭素からできています。したがって、動植物を原料とするものは有機物です。


例えば、木は植物なので有機物ですが、木からできる紙やゴムももちろん有機物です。

木など植物からできる有機物

また、石油は動植物の死骸からできたものですし、もちろん有機物です。したがって、石油からできたプラスチック類も有機物です。

プランクトンや藻からできる有機物
ゴムは、木からできるものと石油からできるものがある

プラスチックは、ビニル袋やポリ袋、ペットボトルなどの種類に分かれています。

炭素を含まない物質【無機物】

反対に、炭素を含まない物質を無機物といいます。


無機物の代表格は金属。金や銀、アルミやチタンなどの金属は炭素を含まないので、全て無機物に分類されます。

金属は無機物
金属は炭素を含まない無機物

ガラスや水や石や砂、酸素などの気体も、炭素を含まない無機物です。

金属以外の無機物
金属以外の無機物

例外: 二酸化炭素や黒鉛は無機物

今の段階では、「炭素を含むものが有機物」「炭素を含まないものが無機物」と考えてOKです。


ただ、例外もあります。


気体の二酸化炭素は文字通り炭素を含んでいますが、構造がとても単純なので、無機物に分類します。黒鉛やダイヤモンドも炭素でできていますが、構造がシンプルすぎるので無機物としています。

炭素を含むが無機物
炭素を含むが、無機物であるもの

有機物は「炭素」と同時に「水素」も含むのですが、ダイヤモンドや二酸化炭素には水素が含まれていません。


だから「有機物ではない」と考えられます。

有機物と無機物の見分け方

有機物と無機物を分類し、図にしてみました。

有機物と無機物

しかし、これを全て暗記することはとても面倒です。


例えば「砂糖は有機物なのか、無機物なのか分からない」という状況になったとき、どうすれば簡単に判断できるのでしょうか?

有機物は、熱すると焦げる

「砂糖は有機物なのか、無機物なのか」知りたい場合は、砂糖を熱しましょう。

砂糖を熱し、有機物か無機物かを判断する

炭素は、熱すると焦げて炭になる性質があります。


したがって、もし砂糖が有機物なら、熱すると焦げて黒い炭が残るはずです。

焦げる有機物
「カラメル」も砂糖が焦げた物質。マシュマロもパンも、有機物は熱すると焦げて炭になる

砂糖は熱すると炭素が焦げて黒くなるので、砂糖は有機物だといえます。

見た目が同じ、「砂糖」「食塩」。どうやって見分ければいい?


写真のデザートやマシュマロのように、砂糖は有機物なので、熱すると焦げます。


一方、見た目の似ている食塩は炭素を含まない無機物なので、熱しても焦げません。

砂糖と食塩の違い
砂糖と食塩はよく似ているが、砂糖は有機物、食塩は無機物。

有機物は、熱すると二酸化炭素を発生させる

それだけではありません。熱し続けると炭素は空気中の炭素と結びつき、二酸化炭素を発生させます。

有機物は燃やすと二酸化炭素ができる

熱したときに焦げて、二酸化炭素が発生すればそれは有機物だといえます。

「二酸化炭素が発生したかどうか」は、見た目では分かりません。二酸化炭素は目に見えないからです。


なので、二酸化炭素を目に見える形にするため、よく石灰水が使われます。

Image result for 石灰水

石灰水は、二酸化炭素にふれると白くにごる性質があります。


発生した気体に石灰水をふれさせて、それが白くにごれば「二酸化炭素が発生した」ことが分かります。つまり、それは有機物。

石灰水を白くにごらせる二酸化炭素
有機物を熱すると二酸化炭素が発生するので、石灰水は白くにごる

熱したのが有機物なら、軽く集気びんを振ればすぐに石灰水が白くにごるはずです。


この方法でも、「砂糖」と「食塩」の区別ができますね。

有機物は、熱すると水も発生させる

炭素を含む有機物は、熱すると二酸化炭素を発生させますが、同時にも発生させます。

有機物を熱すると水が発生する

実はほとんどの有機物は、炭素の他に水素も含んでいるからです。

炭素と水素を含む有機物

したがって、有機物を熱した場合、集気びんの内側がくもるはずです。これは、有機物に含まれる水素が水になった証拠です。

有機物を熱すると、二酸化炭素と水が発生する
石灰水がにごる = 二酸化炭素が発生した証拠
水滴がつく = が発生した証拠

つまり有機物を熱すると、

  • 二酸化炭素が発生する(石灰水が白くにごる)
  • が発生する(集気びんがくもる)

の2つが起こります。


有機物である砂糖を熱すると二酸化炭素と水が発生し、なおかつ焦げます。しかし無機物の食塩を熱しても、これらは発生しません。

「有機物」と「無機物」の見分け方のまとめ

有機物とは炭素を含む物質であり、以下の実験により「これは有機物だ!」と分かります。

  • 熱してみて、燃えて焦げたら有機物
  • 熱してみて、二酸化炭素が発生したら有機物
有機物と無機物の見分け方

繰り返しますが、炭素は人間にとって本当に大切な物質です。だからこれから化学では、どんどん炭素について学んでいくことになります。


まず今の段階では、炭素を含む有機物と、炭素を含まない無機物との差をしっかりと理解しておきましょう。

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