【プラスチック】の分類と、プラスチック誕生秘話

プラスチック分類 中1理科

安価で作れて、とっても便利なプラスチック。


日常生活はもはやプラスチックなしでは考えられませんが、前回はその問題点も少し学びました。

今回はさらに、プラスチックを詳しく分析していきます。プラスチックと一口にいっても、様々な種類があるのです。


この分類を学ぶことで、もっと地球にやさしい人になれるかもしれません。

全然違うのに、同じプラスチック?

前回と同じく、身の回りのプラスチック製品を並べてみましょう。プラスチックは日常生活にあふれているので、無限に挙げられてしまうでしょう。

プラスチック

しかしよく考えれば同じプラスチックといっても、消しゴムとペットボトル、フライパンの取っ手など、触ってみても全く違う材質のように感じられます


それもそのとおりで、一口にプラスチックといってもいろいろな種類があるわけです。

  • 硬さ
  • 重さ
  • 熱の強さ

などなど、プラスチックは様々な特性を持つ物体を作り出せるし、しかもお金があまりかかりません。


プラスチックは単なる有機物ではなく、とてつもなく便利な物質であることが分かると思います。

『熱可塑性プラスチック』と『熱硬化性プラスチック』

その便利なプラスチック、大きく分けて2種類あります。


『熱可塑性(ねつかそせい)プラスチック』と『熱硬化性(ねつこうかせい)プラスチック』です。

熱可塑性プラスチックと熱硬化性プラスチック

熱可塑性プラスチックとは、チーズチョコようなプラスチックです。熱を加えると溶けてドロドロになりますが、冷やすとまた固まるプラスチックです。

熱可塑性プラスチック
熱を加えると、チーズ/チョコみたいに溶けるのが熱可塑性プラスチック。
熱を加えれば何度でも変形する

反対に熱硬化性プラスチックとは、ホットケーキのようなプラスチックです。熱を加えると固まり、それからは冷やしても熱しても固まったままのプラスチックです。

熱硬化性プラスチック
熱を加えると固まり、もう元に戻らないのが熱硬化性プラスチック。
熱しても冷やしても元に戻らない

基本的には、身の回りのプラスチックの多くがチーズ/チョコ型の熱可塑性プラスチックです。


熱に弱いプラスチックですが、熱硬化性よりも安くすみます。また、砕いて溶かせば他の製品に変えることができるので、リサイクルにも向いています。

熱可塑性プラスチックの例

反対に、熱で溶けては困るプラスチック製品には、熱硬化性プラスチックを使います。

熱硬化性プラスチック
熱で溶けたら困るものは、熱硬化性プラスチックを使う

フライパンの取っ手や味噌汁を入れるお茶碗、浴槽などは熱硬化性プラスチックが向いています(アクリル樹脂など)。


電線を守るカバーも、熱硬化性プラスチックが選ばれます。

電線のカバーに使われる熱硬化性プラスチック

いろいろな熱可塑性プラスチック

身の回りのプラスチックのほとんどは、チーズ/チョコレート型の熱可塑性プラスチックです。したがって、今はまず熱可塑性プラスチックについて知ることが大切です。


その熱可塑性プラスチックはいろんな種類に分けることができます。

熱可塑性プラスチックの大事な5種類

ひとまず大切な5種類だけ知っておくと便利です。

PVC(ポリ塩化ビニル)

消しゴムに使われるポリ塩化ビニル

PVC(polyvinyl chloride)はポリ塩化ビニルといいます。最も身近な用途は消しゴムです。
消しゴムのほとんどは、実はゴムじゃなくてプラスチックなんですね。


燃えにくく、雨風などの劣化に強いため、水道管やビニルハウスにもよく利用されています。

ビニルハウスと水道管に利用されるポリ塩化ビニル(pvc)

PE(ポリエチレン)

PE(polyethylene)はポリエチレンといいます。最も安く作れるプラスチックの一つです。


薬品に反応しにくいため、日常ではシャンプーの入れ物、バケツなどに使われていますし、レジ袋も同じポリエチレン製です。

PP(ポリプロピレン)

タッパなどに使われるポリプロピレン

PP(polypropylene)はポリプロピレンといいます。プラスチックの中でもとても軽く、ペットボトルのフタはポリプロピレン製です。


軽くて熱に強いので、電子レンジで使うタッパーに利用できます。とても強度があるので、ロープにも使えます。

PS(ポリスチレン)

発泡スチロールはポリスチレン

PS(polystyrene)はポリスチレンといいます。有名なのは何と言っても発泡スチロール。


スチロール内に空気がたくさん入った発泡スチロールは、軽くて保温/保冷にとても優れています。

発泡スチロールと魚

もちろん発泡スチロールだけでなく、固くて丈夫なスチロールも作ることができます。DVDのケースなどもポリスチロール製です。

PET(ポリエチレンテレフタラート)

ペットボトルはポリエチレンテレフタラート

PET(polyethylene terephthalate)は、ポリエチレンテレフタラートといいます。日本ではよくペットと呼ばれ、日常生活ではプラスチックの代表格かもしれません。


透明性に優れており、ペットボトルやスターバックスのアイス飲料のボトルでおなじみです。


一度使ったペットボトルをリサイクルすれば、この物質を衣服として生まれ変わらせることができます。

ペットボトルはフリースに生まれ変わる

柔らかい肌触りのフリース(よく静電気ができてしまうやつ)はペットボトルをリサイクルして作られています。

ペットボトルの本体はPETですが、フタはPP(ポリプロピレン)からできています。

ペットボトルのフタと本体

PPはとても軽いので、フタは水に浮かびます。しかし容器部分のPETは水に沈みます。


このように、「水に浮かぶか、沈むか」を調べることでプラスチックを分類することもできます。

PETはペットボトルの状態だと、空気が入っているので水に浮かんでしまいます。

しかし切り取って破片を水に入れると、しっかり沈みますよ。

象を助けたプラスチック

一口にプラスチックと言っても、熱可塑性プラスチックだけで5種類学びましたし、本当は他にもっともっと種類があります。

熱可塑性プラスチックの分類

全て石油から作られた、炭素を含む有機物です。しかし、いろんな用途に使えるし、とてつもなく便利な存在がプラスチックです。

PETマークとプラマーク

最後に、このプラスチックの誕生ストーリーを学びましょう。

プラスチックの量産は、ビリヤードがきっかけ

1800年代後半、アメリカではビリヤードが富裕層の遊びで大人気でした。たくさんの有名プレイヤーが生まれ、大きな産業に成長していく途中でした。

ビリヤードとプラスチック

そんなビリヤードの玉は固くて衝撃に強く、ひびが入りにくい物質から作る必要があります。


その条件を唯一満たしている物質は、象牙でした。

ビリヤードに利用された象牙

象牙はビリヤードの玉に不可欠な材質だったので、流行にともない、ビリヤードの玉を作るためにたくさんの象が殺されていきました。


一つのテーブルで使うビリヤードの玉は合計で16個ですが、16個の玉を作るために、2頭の象を殺す必要がありました。

1セットのビリヤードの玉に必要な象は2頭

ビリヤードの人気に伴ってどんどん象を殺していくと、どんどん象が減っていき、ビリヤードの玉がどんどんレアで高価になってしまいました。

象牙からビリヤードの玉を作る様子です。

Polygoon – Hoe biljartballen worden gemaakt from KNBB – Biljart TV on Vimeo.

そこで、有名ビリヤードプレイヤーでもあり、ビジネスマンでもあった Michael Phelan という人物が象牙の代わりになる物質を発見した人には1万ドルを出す」という懸賞を発表しました。

Michael Phelanが経営していたビリヤード場
Michael Phelanが運営していたビリヤード場(ニューヨーク)
https://digitalcollections.nypl.org/items/510d47e0-d77d-a3d9-e040-e00a18064a99

当時の1万ドルは、現在の日本でいうと約3000万円ほどです。


この懸賞に名乗りを上げたのが、John・W・Hyatt (ジョン・ハイアット)です。

プラスチック開発のきっかけを作ったジョン・ハイアット

彼は懸賞を知り、数年間の粘りづよい実験を経て、ついに世界初の人工の熱可塑性プラスチック、セルロイドの実用化に成功しました。


衝撃にも強く、象牙と同じような役割を果たすセルロイドこそ、まさに象牙の代わりになる物質だったのです。
象牙の玉とセルロイドの玉を見分けるのはかなり難しかったといいます。


これを量産するため、彼はビリヤードの玉を製造販売する企業を設立しました。

ジョン・ハイアットが作ったビリヤードの玉を作る工場

これが、世界中で人工プラスチックの研究が盛んになったきっかけです。これを応用し、さまざまなプラスチック製品が誕生しています。


ハイアットのお陰で、これ以上ビリヤードのために象を殺さずにすみましたし、何よりプラスチックが世界中で活用されるようになりました。


現代では、プラスチックは環境に悪いものとして考えられていますが、もともとは象を助けるきっかけとなった素晴らしい発明だったのです

参考: https://invention.si.edu/imitation-ivory-and-power-play

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