バネの両端から重りを吊るし、見えない力を発見する

バネの両端から重りを吊るし、見えない力を考える 中1理科

バネの伸びと力の大きさは比例する、フックの法則をグラフや表を書いて学びました


1N で 4cm 伸びるバネは、 2N の力で引っ張れば 8cm 伸びます。

フックの法則

では下図のように、このバネの両端に 1N の重りを吊るした場合、バネは何cm 伸びるでしょうか?

バネの両端から重りを吊るす

両端から合計 2N の力でバネを引っ張っているので、フックの法則に従って、 8cm 伸びるのでしょうか?

今回はこの問題をテーマにして、バネに働く力について深く考えてみましょう。

バネに働く力を考える
バネには一体、どんな力が働いているのだろう?

バネが伸びるのは、両方から引っ張ったときだけ

天井にバネを設置して重りを吊るすと、バネは伸びますよね。例えば、1N の力を加えると 4cm 伸びるバネがあったとしましょう。

これは間違いなく、「1N の力を加えると、このバネは 4cm 伸びる」という意味です。


この例では天井に吊るしていますが、壁に固定して横に 1N の力を加えても、もちろん同じです。4cm伸びます。

バネが伸びるようす

でもよく考えてみると、「このバネは 1N の力を加えれば、4cm 伸びる」という説明は少し不十分に感じます。


例えば、机の上にそのバネが置いてあったとしましょう。

これを 1N の力で引っ張っても、バネは伸びずに引きづられるだけ。4cm 伸びたりはしません。

片方だけ引っ張ってもバネは伸びない
片方からだけ引っ張っても、バネは伸びずにひきづられるだけ

そう、バネが伸びるのは、両方から引っ張ったときだけですよね。片方だけで引っ張っても、バネは移動するだけで伸びないはず!

バネが伸びる様子

そこで、1N の重りに吊るした場合をもう一度考えてみましょう。

この状況では、重りが 1N の力でバネを引っ張っており、バネが 4cm 伸びています。間違いありません。


しかし、バネが伸びるのは両方から引っ張ったときだけのはず。


ということは…、天井側からもバネを引っ張っているのではないでしょうか?

重りがバネを引く力と、釣り合う力

実はそのとおりで、この場合、天井も 1N の力でバネを引っ張っています。両端から力が加わるからこそ、バネは伸びることができます。

天井がバネを引く力と重りがバネを引く力

もちろん、2N の重りを吊るしていた場合、天井がバネを引く力も 2N となります。

下図のように、天井からも同じ力で引っ張られていたからこそ、バネは伸びていたわけですね。

普通にバネが伸びる様子を見ていただけでは、「重りがバネを引っ張る力」しか想像できません。


まさか天井もバネを引っ張っているなんて、なかなか気づくことができないでしょう。

天井がバネを引く力
天井もバネを引っ張っていることは、簡単には気づけない

バネの両方から 1N の重りを吊るした場合

それでは最初の問題に戻ります。


バネの両端から 1N の重りを吊るした場合、バネは何cm伸びるでしょう?このバネは、1Nを吊るすと 4cm 伸びるバネです。

バネの両端から重りを吊るす

正解は、こちらも 4cm です。両端から 1N で引っ張るのも、天井に設置して 1N を吊るす状態と同じだからです。

天井に吊るしたバネと、両端から力を加えたバネ
「両端から1Nの力」がかかっている点で①と②は全く同じ。②のバネも4cm伸びる

当然、壁に設置したバネを 1N で引っ張るときも同じ。

壁に設置したバネと、両端から重りを吊るしたバネ
左右どちらも、バネにかかる力は同じ。両端に1N。

上の例でも、両方ともこのバネは 4cm 伸びます。両端から 1N で引っ張られているから。

様々なバネのつなげ方

力の捉え方を学んだところで、もう少し複雑なパターンを見てみましょう。バネにかかっている力の全てに気づくことはできるでしょうか?

2本まっすぐにつなげる

バネをこのように 2本 つなげると、バネはどのように伸びるでしょう?このバネも、1N で 4cm 伸びるバネです。

バネを2本つなげる

簡単に考えるため、バネ自体の重さは計算に入れません

ぜひ以下を読みすすめる前に、上下のバネが 何cm 伸びるか考えてみてください。

1N の重りを吊るしているので、上のバネには、上下にそれぞれ 1N の力が加わっています。従って、上のバネは 4cm 伸びています

バネを2本つなげたときの上のバネにかかる力

もちろん下のバネにも 1N の重りの力がかかっているため、上下に 1N の力がかかります。当然こちらも、4cm 伸びるはずです。

4cm 伸びている

つまり、両方合わせるとバネは 8cm 伸びていることになります。

並行にバネを並べた場合

では、以下の図では、それぞれのバネはどれだけ伸びるでしょう?まずは自分で考えてみてください。

並行にバネを並べた場合の力の加わり方

1Nを、2本のバネで支えている状態です。


この場合は、それぞれのバネに 0.5N ずつの力が加わります。ということは、上下に 0.5N ずつの力がかかるわけですね。

並列に並べたバネに加わる力

1N で 4cm 伸びるバネなので、 0.5N で 2cm 伸びます。つまり、それぞれのバネは 2cm ずつ伸びている、ということです。

少し複雑なバネの組み合わせ

では、以下のケースも一所懸命に考えてみましょう。2本のバネに加わっている力をよく考え、それぞれ何cm 伸びるか考えてください。

簡単に考えるため、バネ自体の重さは計算に入れません。

まず上のバネ。重りは合計 3N なので、下へ 3N の力で引っ張られています。当然それに対応するように、天井も 3N の力でバネを引っ張ります。

バネにかかる力

1N で 4cm 伸びるバネなので、3N で 12cm 伸びます。上のバネは 12cm 伸びることがわかります。

下のバネにかかる力は、上下ともに 2N ですね。

1N で 4cm 伸びるバネなので、下のバネは 8cm 伸びます。

上のバネは 12cm, 下のバネは 8cm 伸びることが分かれば完璧です。

バネにかかる力

見えない力を発見した科学者たち

科学者や学者、つまり理科が得意で素晴らしい成果を出す人は、「見えないもの」に気づく才能があります。


普通の人間は、見えるものしか理解できません。しかし一部の優れた人は、見えないものにも気づきます。見えない力を発見した人が、科学技術を発達させたといっていいでしょう。

ニュートン
ニュートンも、見えない「重力」に気づいた

今回はバネの伸びを通して、「天井がバネを引っ張る力」などの、見えない(気づきにくい)力を知ることができました。


理科は主に、「見えないもの」を発見し、考える力をつける学問です。どんな職業の人の将来にも、必ず役立つ力です。

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