「重さ」と「質量」の違い。軽いのに遠くまで投げられない?

重さと質量の違い 中1理科

「重さ」と「質量」は似ているようで違います。その違いを、みんなが大好きなゴールド (金塊) を使って考えてみましょう。お金持ちになった気分。

金の重さと質量
ゴールド(金)は 1g 約5000円。1kg で約500万円

「重さ」とは物体にかかる重力のこと。状況が変われば「重さ」も変化する

力と重さの単位「N(ニュートン)」。体重を減らしたければ月へ行こう】でふれたように、重さとは、物体にかかっている重力のことでした。重さって、力の大きさなのです。

したがって、「重さ」は、重力が弱くなったり強くなる場所に行くなど、状況が変われば変わります。

重力が強くなる場所、弱くなる場所

重力は地球の中心から発生しています。なので地球の中心に近いほど、重力は強くなります


地球は太陽のまわりを回るとき、遠心力により横にふくれたラグビーボールのような形になってしまうため、赤道よりも北極などの方が中心部に近くなっています。

極と赤道の重力の違い
地球は意外と、横にふくれたラグビーボールの形

つまり、赤道よりも北極や南極にいる方がかかる重力が強いので、ゴールドは重くなっています

もちろん、高層ビルや高い山などの方が地球の中心から離れるので、高い場所の方が物質は軽くなります

エレベーターに乗っても重さは変わる

ゴールドを持って、エレベーターに乗ったとしましょう。

ゴールドを持ってエレベーターに乗る

しかしエレベーターが動き出すと、重さが変わります。


エレベーターが上に上がれば、ゴールドの重さに床が上昇する力が加わり、普通のときよりも手に力が伝わり、重くなります


逆にエレベーターで階下へ下がっていくとエレベーターの床が下へ逃げるので、ゴールドが手を押す力は弱くなります。ゴールドは軽くなります。

エレベーターと重さの関係

例えばカバンの重さを 0 にしたかったら、カバンを持ちながら高いところからジャンプすればOKです。落下中にカバンの重さを感じますか?感じませんよね。

「質量」とは物体が持っている量。場所や状況で変わらない

場合によりコロコロ変わる「重さ」とは違い、「質量」とは物体が持っている量のことです。これは場所や状況により変わりません。


ゴールドは場所により重さが変化しましたが、ゴールド自体がすりへったり、増えたりしたわけではないですよね?それが質量です。

重さと質量の違い

あなたも赤道より北極の方が体重が重くなりますが、あなたの体の量に変化があるわけではありません。それが質量です。

g と kg は「質量」の単位

「重さ」の単位は N(ニュートン) で、質量の単位は kg や g です。

重さと質量の単位

しかし、普段は「このリンゴの重さは 100g です」のように、kg や g を重さの単位として使っていますよね


厳密にはこれは間違い。g や kg は質量の単位なので、正確には 「このリンゴの質量は 100g です」という使い方が正しいです。


ちなみに、地球上においては、 100g = 約1N (0.98N)でしたね。

質量と重さ

このゴールドでいえば、「質量は?」と聞かれたら 1kg, 「重さは?」と聞かれたら 約10N と答えるのが正確です。

「重さ」を測る装置と「質量」を測る装置

「重さ」と「質量」は違う単位で表すため、それぞれを測る装置も違います。

「重さ」を測る装置

重さの単位はニュートンですが、それを測る代表的な装置は「ばねばかり」です。

ばねばかり
 横の目盛りが N(ニュートン) を表す

物体をひっかけて、ばねがどれくらい伸びたのかを計測し、物体の重さ (N) を表示してくれます。

「重さ」とは「物体にかかる重力」のことなので、結局は力の大きさのことです。

つまり、「ばねばかりは力を測る装置」ということもできます。

「質量」を測る装置を測る装置

どんな状況でも変わらない「質量」を測る装置は、上皿天秤です。

質量を測る上皿てんびん

ピンセットで分銅(ふんどう)を載せていき、天秤が釣り合うときを探します。


1kg の分銅と釣り合えば、その物質の質量は 1kg です。これは「重さ」を測っているのではなく、「質量」を測っています。

月面上での「重さ」と「質量」

月は地球より小さいです。そして月の重力は、地球の重力の 6分の1 です。

月と地球の重力の差

3kg (3,000g) のゴールドをばねばかりで測ると、地球上では 約30N を示します (100g = 約1N)。


しかし月で同じように計測してみると、重力が 6分の1 であるため、ばねばかりは 約5N を示します。当然ですがバネの伸びも、6分の1になるわけです。

地球と月の重力の違い
ばねばかりは、重さ (N) を測る装置

一方、地球で上皿天秤を使うと「ゴールドの質量は 3kg」と計測できたとします。その場合は、地球でも月でも、上皿天秤を使うと「ゴールドの質量は 3kg」と計測できます。

地球と月で、質量は同じ

「質量」は、地球でも月でも変わりません。

計量器や体重計は、「質量」を示している

体重計の単位は [kg] ですよね。つまり、体重計が示している値は「重さ」ではなくて実は「質量」です。

状況で変わる「重さ」なんかより、本当の自分の体の量、つまり「質量」を知りたいですもんね。

体重計は重さでなく、質量を測っている

体重計は実際は、体重計の面を押す力(重力)を、つまり重さを測定しています


しかし、そこで測定した重さに対して、1N = 約100g で質量(kg, g) を計算して割り出してから、数字を表示しています。つまり、最終的には質量を表示するのです。

しかし…、地球で買った体重計を月にそのまま持っていった場合、正確に質量を測ることができません。

なぜなら、体重計は地球の重力を基準にして質量を表示しているから。

体重計を月に持っていった時

月で正確な質量を測りたければ、体重計の中の計算式を 1N = 約600g に変えてあげないといけませんね。そうすれば、同じ質量を表示してくれます。

軽いけど、動かせない。質量とは「物体の動かしにくさ」

ここで、月の上での「重さ」と「質量」について不思議な話を一つ。


6kg のゴールドを月へ持っていった場合、重さは 6分の1 になるので、確かに月ではとても軽く感じます。

地球での重さと月の重さ
月においては、地球で6kgの物体は、地球での1kgの重さになる

しかし実は、軽いからといって遠くまでゴールドを投げられるわけではありません

地球と月の質量による、物体の動かしに草
軽くなっているが、地球上と同じくらいの距離しか投げられない

なぜなら具体的に「質量」とは、物体の動かしにくさであるからです。いくらゴールドが軽く感じても、質量(動かしにくさ)は変わってません。


なので、月で物体を遠くに投げようとしても、「軽いのに遠くまで投げられない」という不思議な感覚を味わうことになると思います。

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