【全反射】水面にハッキリ映る「逆さ金魚」と、インターネットを支える光ファイバー

全反射 中1理科

この回では、

  • 水面にはっきり映る逆さ金魚
  • インターネットを支える光ファイバー


を利用しながら、【全反射】について話をします。


全反射を学ぶ前の基礎知識のため、必ず以下の回を学んでおいてください。

【反射の法則①】水面に富士山が映っているのはなぜ?
【反射の法則②】鏡に物体が映るのはなぜ?虚像(バーチャルイメージ)を作図してみよう
【乱反射】目の前のリンゴと、その虚像が見える理由を学ぼう
【光の屈折①】反射と同時に起こる、屈折の基礎を学ぶ
【光の屈折②】ストローがズレて曲がる不思議

水面に映るもう一匹の魚

いきなりですが、この写真には魚が何匹映っているでしょう?

全反射で、水面に映る魚
http://waiferx.blogspot.com/2019/01/online-reading-assignment-total.html

「魚が気持ちよさそうに2匹泳いでいる……」ように見えませんか?



しかし、それは間違いです。


これは水中から魚を見た図で、水面が鏡のようになっており、下の魚が水面に映っているのです。結果、2匹泳いでいるように見えます。

写真では、逆さまの金魚がとてもハッキリ映っており、水面が鏡のようになっています。


では次の写真へ。

全反射で、水面に映る人

これは、水中から男の人を見た図。


こちらも水面にかなりハッキリと、その人が映り込んでいますよね。


これも、鏡みたいです。


しかし…、魚といいこの人といい、なぜ水面にハッキリと映るのでしょう?


今回で、その疑問をバッチリ解決します。

反射と屈折の関係

光は、反射もするし、屈折もします。


以下の回で学んだ通りですね。

  • 空気から水(ガラス)
  • 水(ガラス)から空気

へと光が差し込むとき、光は同時に反射と屈折をします。


入射角と反射角と屈折角
光の屈折と反射は、同時に発生している

【全反射】光が屈折しない!

しかし!!実は、


光が屈折しないときがあるのです。

光が屈折しない

「反射だけで屈折しない」のは、どんな時でしょう?

考えるために、入射角を大きくしてみよう

入射角を徐々に大きくしてみると、


「屈折しないときは、どんなときか」


が非常に分かりやすくなります。

入射角が大きくなれば屈折角も大きくなる
入射角が大きくなれば、屈折角も大きくなっている

上のように、水中からの入射角を大きくしてみると、屈折角もどんどん大きくなっているのが分かりますか?

入射角を大きくすると、屈折角も大きくなる

そして、最終的には、屈折角は90°になります。

屈折角が90°になる場合
入射角を広げると、いつか屈折角が90°になる

ここで想像してみましょう。


屈折角が90°になったここから、さらに入射角を大きくしてやると、どうなるでしょうか?

光が屈折せず、全て反射する【全反射】

屈折角が90°になれば、これ以上はもう屈折できないですよね。


したがってこれ以上に入射角を大きくすると光は屈折せず、反射するのみになります。

全反射の図
屈折角は、90°以上に大きくなれない

この、


「光が屈折せず、反射だけになってしまう


現象のことを、全反射といいます。


光を全部反射してしまうから、全反射と言うわけです。

空気→水(ガラス)

に光が進むときは、全反射は決して起こりません

一部の光は、必ず屈折して水の中に入ります。

全反射は、光が水(ガラス)から空気中に出るときだけ。

ちなみに、水から空気に抜ける場合、入射角が約49°になったとき、屈折角が90°になります。(水の場合です。物質によって変わります)

屈折角が90°になるときの入射角
屈折角が90°になるときの入射角は、約49°


入射角が約49° (正確には48度30分) の場合、まだ全反射してません


約49° を超えて 50° などになると、全反射します。

50°になると、全反射する

全反射により、水面が鏡のようになる!

これで、魚や人が水面に映る理由が分かります。

全反射でうつる魚
全反射で映る人

この魚や人は全反射により、ハッキリ鏡のように水面に映っているのです。


以下の図を見れば、水面が鏡と同じ役割になっていることが分かります。

全反射で鏡のようになる

逆さまに映った、虚像の金魚が見えるわけです。

全反射が起こると屈折せず、光は空気中に逃げることはありませんよね。

なので、もし上から魚を見ようとした場合、光は空気中に届かないため、魚が見えないことがあります。

全反射により見えない魚

反射と屈折により、光は分かれている

ここでもう一度、確認してみましょう!


全反射が起こっていないとき、光は反射しているし、屈折もしていますよね。


これはつまり、光が分かれているということです。

全反射の場合は光が分かれていない

2つに分かれてしまうと、当然ですが光は弱くなります。


しかし、全反射が起こると、光が分かれることはありません


なので、全反射の光は、普通の反射光よりも強いのです。

全反射の強い光

全反射は、鏡と同じくらいくっきりと物を映すことができる、特別な反射だと言えます。

反射の法則①で学んだ「逆さ富士」も、水面が鏡のようになっています。

逆さ富士

しかし、これは空気中から見た図ですよね。

空気中から水面にぶつかる場合は、決して全反射しません必ず一部の光は屈折し、水中に侵入しています。結果、目に入る光は弱くなっています。


なので、全反射ほどハッキリとは映りません。

全反射を分かりやすく解説しているNHKのビデオがあるので、関心ある人はぜひご覧ください。

全反射で映る金魚

http://www2.nhk.or.jp/school/movie/clip.cgi?das_id=D0005301304_00000

全反射を利用した「光ファイバー」

実は私たちは毎日毎日、全反射に助けられています

インターネットを支える光通信

光ファイバーで繋がる世界

例えば、

  • インターネットでいろんなサイトを見る
  • 友達に LINE を送る
  • このサイトをスマホ(パソコン)で見る

など、あなたは必ずインターネットを使っています。


このインターネットを使えば、例えば遠く離れたアメリカの友達とも、一瞬でメッセージのやり取りができます。ほぼ待ち時間ナシ。

一瞬で伝わるインターネット
一瞬で繋がるインターネット

この便利なインターネット、なんでこんなに速いのでしょう?


それは、インターネットが光の速さを利用しているからです。


あなたのメッセージを光の信号に変えて、相手に届けているのです。

光通信で相手にメッセージを届ける

光の速さは、秒速約30万kmです。1秒に30万km進む速さです。

地球一周は4万kmです。

つまり、光は1秒に地球を7周半も周ってしまうスピードです。

光は1秒で地球を7周半

この光のスピードを活用した通信方法を、光通信といいます。


光通信のおかげで、海外の友達でも一瞬で連絡を取ることができます。

光通信を支える光ファイバー

その光通信のために、光の信号を届けるためのケーブル(電線)が必要です。

光の信号を遠くに届けるためのケーブルを、光ファイバーと言います。

全反射を利用した光ファイバー
インターネットのための光ファイバー

この光ファイバーを使って、光の信号を遠くに届けています。

光ファイバーを使いメッセージを届ける
メッセージも、光ファイバー(電線)で伝える

光が弱くなってしまう!?

線の中に光を走らせて相手に届けばいいのですが、普通はケーブルの中で屈折してしまいます


しかし、屈折してしまえば、光は弱くなってしまいますよね。

屈折により光が逃げる
屈折すると光が逃げてしまい、強い光が届かない

例えば光通信で、アメリカへメッセージを送ろうとしても、屈折のせいで、強い光を伝えることができません

全反射を利用する光ファイバー

強い光を届けるためには、全反射を使えばいいですよね。


全反射なら、屈折により光を逃がすこともありません


光ファイバーは、光が全反射により進んでいくように設計されたケーブルです。

全反射で光が進む様子
全反射でケーブル内を進む光
https://en.wikipedia.org/wiki/Optical_fiber#/media/File:Laser_in_fibre.jpg

全反射により、あなたはインターネットを安定して使うことができています。

世界中でインターネットで通信するため、光ファイバーは海底に張り巡らされています。

海底ケーブルの地図
https://jpn.nec.com/kids/himitsu/img/v07/network.jpg


赤い線が、海底ケーブル(光ファイバー)です。


これがあるから、海外へ一瞬でメッセージを送信できます。


興味のある人は、ぜひ以下のサイトも見てみましょう。

https://jpn.nec.com/kids/himitsu/07.html

一応補足しておくと、


日本のスマホからアメリカのスマホにメッセージが届く道のりは、以下の図のようになります。

光ファイバーを使ったインターネット

重要なところはケーブルを使って、あとは電波でメッセージを伝えます。電波なので、スマホに線を繋げる必要はありません。


電波も、光と同じ仲間です。


このあたりは高校物理で詳しく学べるので、楽しみに取っておきましょう!

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